こんにちは。レクルンです。
新年度がスタートして2か月余り。
環境に慣れようと頑張っているのは大人だけではありません。
入園・入学後の子どもたちもきっと同じ。
子どもなりのその頑張りを焦らず受け止め、頑張っているその姿をほめてあげましょう。
さて山本五十六の残した有名な言葉に
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
というものがあります。
会社における人材育成の考え方として取り上げられることも多いこの名言ですが、「人を育てる」という点では、子育てにも大いに参考になると思います。
特に「ほめる」姿勢について。この言葉の中では、ほめるのは4番目です。
「ほめる前にやることがある」という、よく考えれば当然のことなのですが、改めて見ると、「ほめる子育て」の質を上げ、子どものやり抜く力を伸ばすはたらきかけのヒントがあるように感じます。
1.やはり、ポイントはこの順番
レクルンの教室でも、同じ手順を踏んでいます。
①まず、先生が教材を使って「何を」「どのようにするのか」をやり方を見せる
②やり方を見せながら、上手に取り組むためのポイントの説明をする
③子どもたちにも同じ教材を渡し、やってもらう
④できたこと(やり抜いたこと)をほめるといったかんじです。
もし、この順番を間違うとどうなるのでしょうか。
①教材を渡してさせる
→子どもはどうすればいいかよくわからない
②先生や親が言葉で誘導する
→言われていることとすべき動作がつながらず、やはりわからない
③先生がお手本を見せる
→「こうすればよかったんだよ」という事後指導
④できなかったけど頑張ったね、とほめる
→子どもは何かモヤモヤする… というところでしょうか。
できない・わからない、がスタートでは誰でも楽しくはありません。
初めに、お手本を見る(成功のイメージをつかむ)ことで子どものやる気が引き出されやすくなるのです。
2.やってみせることは、自主性を妨げることにはならない
例えば、教材がパズルだったとします。
よく見かけるのが、合わせるピースはあっているけれど、逆さまや裏返しに持っている子です。
そして、大人のほうにありがちなのが、それを言葉だけで直そうとする姿です。
「さかさまよ」
「ひっくり返してごらん」
「それは裏よ。表にして」
パズルを完成させることに必死の子どもは、その言葉に混乱し、必要以上にピースをくるくる回し、ついには「これじゃないのか」と違うピースに手を伸ばしたりしてしまいます。
本人に気づいてほしい、という親の心理もありますね。
だから、あえて手を出さずにサポートするのですが、必ずしもそれが最善とはかぎりません。
この例なら、子どもの手を取り「くるっと回してさかさまにするよ」とピースを動かしてあげたり、親が別のピースを持って「こうやって、裏返しにしてごらん」と見せることで、子どもは何をすればいいのかを体感的・視覚的に理解することができます。
子どもが何かに立ち止まっているとき、大人がやって見せることは決して自主性を妨げることにはならないのです。
3.ほめられることで、成功体験と認識される
子どもの「やってみたい!」は潜在的に「できた!」と1セットです。
特に年齢が小さいほど、できなかったけど頑張ったね、と言われてもピンとこないもの。
心には「できなかった」の部分だけが残ってしまいます。
教室ではお家の方に 「さりげなく手伝って、手柄は本人のものにしてあげてください」 とお話しています。
親の手を借りてでも、できたことはほめる。
できた喜びに共感してあげる。
そのはたらきかけがあって、子どもの心にその頑張りが“成功体験”として認識されます。
もちろん、試行錯誤して自力でできたときも、めいっぱいほめてあげます。
ほめるということは、「これでいいのかな?」と思う子どもの気持ちに太鼓判を押し、自信をもたせてあげる成功体験に繋がります。
成功体験を積み上げるたびに、子どもはチャレンジする心を自ら育んでいきます。
最後の「人は動かじ」とは、本来は人の上に立つものの心構えとして読む部分なのでしょうが、これを子育てに置き換えれば「子の心は動かじ」ということなのではないかと思います。
あなたのために、と親が姿と言葉で示してくれて、挑戦する機会をくれて、努力をほめてくれる――そのくり返しが、よりよく向上していこう、と子どもの心を動かすのではないでしょうか。
いつでも寄り添いサポートするよ、という気持ちをもって、子どもの成長を見守っていきたいですね。
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